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この前、人を拾いました

第19章 ②―6 この人が…ですか?

若村さんが指した方へ、私たちは移動した。


レイは、不満そうに私を腕からはなすと、今度は力強く私の手を握った。


私はその温もりにとても安心していた。



「あのぉ……」



その様子を若村さんはじっと見ていた。


うわっ…

また周り見えなくなってた……

「は、はい!」

照れながら私はレイの手を離そうとしたが、力が強くて出来なかった。



「あなたの、お名前は…」

若村さんは鞄からタオルを取り出すとそれを私に手渡しながら言った。

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