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この前、人を拾いました

第35章 ④―2 許嫁という身分

今までで一番近所迷惑な声で私が叫ぶと、レイが私の方を向いた。



こいつ、


本当、


どうしてくれようか




私の怒りなんか全くレイは気にすることなく目を輝かせると、私の方へ向かって走り出してきた。





「あいちゃぁぁん!!」





大きく手を広げて私を捕らえようとするレイの軌道からギリギリで身体を反らすと、再びレイは壁に激突して頭を抱えた。





「一生そこでうずくまってなさい!!」





レイにそう叫び、九条院さんの方に向き直ると、

九条院さんも瀧山さんも目を丸くして立ち尽くしていた。

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