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この前、人を拾いました

第35章 ④―2 許嫁という身分

「うぅぅう………ドメスティック……バイオレンス……」




背後から虫の声がして再び私は眺める。



本当に


信じられない……。





「あの……礼二さま……?」




しばらく言葉を失っていた九条院さんが思い出したように声を出す。





「ん?なんだ?君は誰だ?」



涙目になりながら、また驚異の回復力でレイが立ち上がる。




誰って……


自分の許嫁を……



と思いながら少し優越感に浸る。(いや、自分だってたまにしか本当の名前呼んでもらえないけど)


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