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この前、人を拾いました

第42章 ④―8.5 『ずっと前から、お嬢様にお仕えしております』

それでも、私は必死で平静を保とうとした。



「もちろん、お慕いもうしあげ」




「違うわ!!!!!!!!!」





また大きな声が部屋に響く。


びっくりして、
私は麗子様を見つめた。




「私が聞きたいのは

そういうことではないわ。


あなた、

瀧山亮は


私、
九条院麗子を


女として見ているのか…



私はそう聞いているの。」




トクントクン…と身体全身の血が音を立てて巡り、身体を熱くする。


男としての自分と
執事としての自分が


1つの身体の中で苦しいほど渦巻く。




「な、何をおっしゃいますか…麗子様。


麗子様は礼二様と結婚しようと…

そうなさっていたではありませんか……


それに私はただの執事です。


そのような感情をお嬢様に持つなど……」

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