この前、人を拾いました
第42章 ④―8.5 『ずっと前から、お嬢様にお仕えしております』
「礼二様に、感謝しなくちゃ。」
長くて美しい髪を撫でていると、麗子様が呟く。
「そうですね……」
訳の分からないことを言っていると思っていたが、今考えてみると、礼二様は私の気持ちをお見通しだったようだ。
そんなに勘の良さそうな方のようには思わなかったが――
「あの人と一緒にいられるのは、きっとあのみきって女だけね。」
と麗子様が言った。
「確かに…
彼女は究極のマゾヒストなのでしょうか…」
そうでなければ、
あのお方と一緒にいるなんて……