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この前、人を拾いました

第54章 ⑤―8 念願のくじ引き

「小さな観覧車だぁぁああああ」


と言って、


レイが脇から出てきたかと思ったら、あろうことか私を押し退けてそのままクジを回してしまった。



「ぎゃぁぁぁあああ」



この日のために、私はわざわざ遠い商店街に赴いて、こつこつとスタンプをためていたと言うのにぃぃぃ!!



グルグルとクジを楽しそうに回すレイを涙目で見ながら、


いや、待てよ。

もしかして、

この人がやった方がミラクル起きるんじゃないか!?


と思い、


楽しみを横取りされた悔しさを瞬時に押し殺して私は食い入るように出てくる玉を見ていた。

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