テキストサイズ

この前、人を拾いました

第60章 ⑥―2 彼は期待を裏切らない

いやいや待てよ。


メールを打ったらその記憶をレイに見られるに違いない。


ふと顔を上げて時計を見ると、13時をさしていた。


昼だし…いいかな…



私は失礼を覚悟で電話をかけた。



2、3回コール音がなるが応答がない。



やっぱ出ないかな…



諦めかけたその時、




「……はい?どうしました?」



「うわっほぉ!!!」



出ると思わなかったので、自分でもびっくりするくらい変な声が出てしまった。



「え、いたずら電話ですか……?切りますよ…」



「ちょちょちょちょっと待ってください若村さん!!」



私は電話越しに必死で電話の相手、若村さんを止めた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ