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この前、人を拾いました

第60章 ⑥―2 彼は期待を裏切らない

オフィスに私の驚きの声が響き渡り、みんなが一斉に私を見た。



「はっ!」



として自分の口を手で押さえ、すみませんと大きく頭を下げると、私は喫煙所のあるベランダまで早足で向かった。



「みきさん、

耳が痛いです。」



と電話から若村さんが弱々しく言った。



「あ……
すみません……

ちょっと、本当にびっくりしちゃって……」



期待を裏切らないって

レイ…
あんた
本当に期待を裏切らなさすぎだから…。



ケータイからは若村さんの笑い声が響いていた。



私の話をダラダラ長いとか言ったくせに、
若村さんだって十分回りくどいじゃないかと、心で文句を言った。

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