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この前、人を拾いました

第60章 ⑥―2 彼は期待を裏切らない

「あーでもね、気を付けてください。」


「え?
何がですか?」

ベランダに出て寒さに身をすくめていると
急に笑うのを止めて真剣な声になる若村さん。



「誕生日、祝うと怒りますから、礼二先輩」


はぁ?

祝うと怒る?


「何でですか?」



「う……ん、
こればっかりは僕も謎でして。
怒るだけじゃなくてですね、いつもあんなにテンション高いのに誕生日が近付くとボーっとした感じになるんですよ。」


と若村さんは言った。



レイが……


ボーっとする…??



「そんなことあるんですか…?」


今まで異常なまでに多動なレイは見たことがあっても、ボーっとしているのは見たことがなかったので、若村さんのいうことはにわかには信じがたかった。

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