この前、人を拾いました
第60章 ⑥―2 彼は期待を裏切らない
「なんですか!!
何でもいいからいってください!
あと三日しかないんで!」
と私が力むと小さくため息をつく音が聞こえた。
「まぁ、
あるにはあるんですが、
ちょっと危険っていうか
気が進まないっていうか……」
となぜか渋る若村さん。
危険……?
レイが自分の誕生日を嫌う理由が知りたいだけなのに、一体何が危険なのだろうか。
「まぁでも、僕がいれば大丈夫ですかね…」
と若村さんは付け加えた。
「あの……何ですか?
その理由を知る方法って…」
少しびくびくしながら私が尋ねると、
若村さんは
「とりあえず、明日、12時にうちの会社に来てください。礼二先輩はいないので、大丈夫です。」
と言った。