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この前、人を拾いました

第62章 ⑥―4 要注意人物…?

「みきさん!!」



完全にお花畑にいた私を若村さんの声が現実に引き戻した。


「あ…と…すみません。」


軽く頭をふって自分を落ち着かせようとすると、総一さんは笑いながら立ち上がり、ジリジリと私に近づいてきた。



ふと、この前も、この会社で迫られたことを思い出して、グッと身体を強張らせゆっくりとドアの方に後退するが、総一さんはフフと笑いながらついに私をドアまで追いやった。



「あ、あのっ…そんなに近付かなくても…」



目を見たらやられる―――

ただでさえ、総一さんからは色気むんむんの香りがして、鼻血が出そうだったので私はもうドアに埋もれそうなほど身体を萎縮させた。

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