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そして………


10歳の誕生日の日。



礼二は
ついに母親代わりだった私たちの乳母に、尋ねた。



「僕の誕生日、
なぜたまにみんなが悲しそうな顔するの？」



乳母は答えるのを躊躇い、懸命に誤魔化そうとした。


だけど礼二は諦めなかった。


知りたいことは、知るまでとことん突き詰める、
それが弟、礼二。


乳母はそんな礼二に根気負けし、


ついに話してしまった…。


母は礼二の出産で命を落としたことを。