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この前、人を拾いました

第64章 ⑥―6 それでもやっぱり

「レイが祝われたいか祝われたくないかじゃなくて。

私が…
祝いたいんです。」



涙を拭きながら、総一さんをじっとみた。


すると総一さんは
はぁ…と大きくため息をつき、イスをクルッと回して窓を眺めた。



仲が悪いと思っていたけれど、
総一さんはレイのことをすごく考えている。

とても弟想いの素敵なお兄さん。



「礼二は、不幸なことなんて何もないですねぇ」



しばらくして総一はまたイスをクルッと回して私に向き直った。



「え?」




「だってこんなにもあなたに想われている。

本当に羨ましいやつですよ。」


と言って、ニコッと笑った。

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