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この前、人を拾いました

第64章 ⑥―6 それでもやっぱり

「あっあのっっ」



「みきさん…」



耳元に甘い声で囁かれ、ぞわりと身体があわだった。



「礼二は大事な弟です。


私は礼二の幸せを願っている……


でも、



あなたのことだけは、


私だって本気ですから…」


そう囁くと、総一さんは私の耳にチュッとわざと音がするようにキスをし、
身体を離した。



なっ!?


パニックになりながら、総一さんの顔を見ると、

ニコニコとして手をふっており、
脇で若村さんがまた大きな溜め息をついていた。



顔はあまりレイとは似てないけど…


こういう強引なところ本当にそっくりなんだからっ!!!!


「しっしつれいします!!」


私はこれ以上総一さんにのまれないように、早足で会議室をあとにした。

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