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この前、人を拾いました

第65章 ⑥―7 26th Birthday

「…僕…自身……だけ…」

ゆっくり反復したレイに強く頷いた。


「みきちゃん……っ
僕祝われていいのか…?
『おめでとう』って言われても…いいのか……?」


微かに震えるレイの腕を掴む。



「いいんだよ…。
だって……レイのお母さんが命懸けで守った命でしょ…?」


私がそう言うと、


レイは目を見開いた。



「逆に感謝して…祝わなくちゃ…」


レイはまたスー…っと涙を流し、

私を強く抱き締めて、


みきちゃん、みきちゃん


と言いながら、子供のようにワンワン泣き出した。



「……愛してるよ、レイ。


お誕生日おめでとう…

生まれてきてくれてありがとう…」



私はそう伝えて、
泣きじゃくるレイの身体を強く抱き締めた。





しばらく

そのままの体勢で


レイが泣きやむのを

私は待った。

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