この前、人を拾いました
第7章 ①―6 乱入にご注意
「えっ?!そりゃあだって、草野さんと言えばうちの会社のマドンナ的存在っていうか・・・」
「マっマドンナ・・・??!!」
初めてきいたその言葉に
からかわれているのかと疑う。
なんで、
「私がですか??百合子先輩のことじゃなくて???」
私はびっくりしすぎて池田さんに詰め寄った。
「百合子?ああ、田村百合子さんね。うん、美人だよね。そうそう、田村さんと草野さん二人とも仲いいだろう?どっちも美人だから、T派とK派で派閥が出来てるんだよ。」
「T?K?ほえ??」
訳が分からず間抜けな声が出てしまい、池田さんが笑った。
「本当に知らないんだなあ。二人の頭文字。草野さんがK、田村さんがTだよ。」
そう池田さんが説明したのに、全く私は付いて行けなかった。
「はぁ・・・」
そう返事するのが精一杯である。
「あ、ちなみに、俺はK派。草野さんだよ。」
と言って微笑んだ。
「えっ・・・」
知らなかった。