この前、人を拾いました
第85章 ⑧—5 不吉な口笛?
「なんかする…?」
「うぅぅうううう」
呻き出したレイは身体を左右に揺すった。
駄々をこねる子供みたいなその姿に、思わずぷっと吹き出した。
何にそんなに迷ってるんだろ…
「何かっていうとセックスしか浮かばないっ!!!!でも僕は今禁欲中だ!!!!!!」
そう言いながら、レイは私の腰に腕を回して抱きついて来た。
それしか浮かばないってなんなの?バカなの?
てか何故禁欲なんかしてるのか…
禁欲とレイは対極にあって、絶対交わらないと思ってたんだけどね。
「じゃあもう寝たら?」
「だぁかぁらぁああああああ」
「うっ…苦しいっ…」
「さきちゃんはバカだっ!!!!僕がこんなに頑張っているのにっ…!」
より強く私のことを抱きしめたレイは、急に起き上がってムッとした顔を私を見た。