この前、人を拾いました
第94章 ⑨ー4 少女漫画のようにはいかない
昔そのままの自分の部屋。
私はベッドに倒れ込む。
今これどういう状況なんだろ。
ひとしきり泣いたからか、なんだか謎にスカっとした気持ちだ。
お父さんもどっかいっちゃうし、レイもどっかに行ってしまった。
結婚の、挨拶にきたつもりだったのに、気付いたら実家で破局。
婚約者どころか、彼氏もいない女になっちゃったし。
「……しきり直す、かな…」
就職して上京するまで住んでいたこの地。
原点とも言える、この部屋の中で私はそんなことを思う。