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この前、人を拾いました

第94章 ⑨ー4 少女漫画のようにはいかない


「っ……意外と…クるなぁ……」


そんなことを呟きながら、また、涙が勝手に溢れる。

すると、微かにガチャと玄関の扉が開いた音がして、私は身体を起こした。


どっちだろうっ……


頰を伝う涙を乱暴に拭ったとき、『あら、お父さん』というお母さんの声が聞こえた。



お父さん……帰ってきたんだ…


ちらと時計を見たら、もう18時だった。


随分経ったな……。


どこで何をしていたんだろう。

そして、レイは、どこで何をしているんだろう。

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