テキストサイズ

この前、人を拾いました

第94章 ⑨ー4 少女漫画のようにはいかない


「お母さんから、聞いた」


そのお父さんの言葉にさらに返す言葉がない。



「……お前は大事な娘だ」


「………っ…」


「だから、変な男にお前をやりたくない」


「……うん」


「西園寺は……なんて言うか…」


「変な男だね」


食い気味に返した私の言葉にお父さんが黙る。


少し沈黙があったあと、お父さんは足を組み替えた。


「いや…ちょっと違うな」


「え?」


「あ、いや、西園寺は変な男、という言葉では足りないくらい狂ったやつだと思うが」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ