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この前、人を拾いました

第94章 ⑨ー4 少女漫画のようにはいかない

お父さんが、私の部屋に入るのなんて、何年振りだろう。
もう忘れてしまった。
それくらい昔のこと。


咳払いをしながら、お父さんは、私の机のイスを引いて腰掛けた。


「……おかえり……」


とりあえず話し掛けてみたら、お父さんは、あぁとそっけなく返事をした。


しばらく、沈黙が続く。

私は、謝った方がいいのだろうか。
でも……何を?


「……さっきは突然飛び出してすまなかった」

「いやっ……ん…」


なんて言ったらいいんだろ……


分からなすぎて、目線も合わせられないまま。

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