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この前、人を拾いました

第102章 ⑩—2 雑誌と検査薬と、それからわたし



「はぁあああああああああ」



どうしようどうしようっ……!


震える手を抑えるもう片方の手も震えてしまう。


結婚して1ヶ月とちょっと。
まだ「西園寺」という苗字にだって慣れていない中の出来事だ。



「落ち着け落ち着け……」



興奮しながらそう自分に言い聞かせるけど、「え?私犬?」っていうくらい息が荒い。


とりあえず薬局で、散々悩んで買った妊娠検査薬を私は紙袋から取り出した。


はあっ……ついに私もこれを使う時がくるなんて…


一生に何度も買う機会はないだろう検査薬。
パッケージを開いて、その体温計のような器具を凝視する。



そして


ふぅ……と息を吐いた私は、事を終えてトイレの水を流して、例のものを手にトイレから出た。




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