跨いでいった男たち
第23章 ゆい・・ the past(春日語る)
ゆいは申し訳なさそうに、俺んちにお邪魔した。
春日『ゆいはオレンジジュースでいいかな?』
ゆい「なにそれー子供扱い!プン」
春日『ばれたかw』
僕とゆいはソファーに並んで座った。
ゆいが話し始めた。。
ゆいね、あまり人にお話したことがないんだけど、最初はファースドフードのおねぇさんで・・・。
遊び半分でマリーナ勤めはじめたんだけど、母がその頃 病気しちゃって、妹がまだ幼くて母のかわりに妹の面倒みてるんだ。
母子家庭だからね、父ってのがよくわかんない。甘えるってしたことないから、だからマリーナに来るお客さんが普通のお父さんでちょっとびっくりっていうか。お父さんは、ゆいがちっちゃいころ、お母さんは濁すけど、女の人つくって逃げちゃったみたい。
小学生の頃、お前とーちゃんに捨てられたんだろーって同級生に言われて・・・グスン
お父さんってお母さんを悲しませるものだと思ってて・・・
つぎに再婚した父はDVだったの。。
ゆいは迷惑かけちゃいけないと思ったから、我慢したけど、あるとき妹が産まれて、父は妹の本当のお父さんなのに、手をあげたの。
だから、泣いてお母さんに頼んだ。ゆいはお父さんいらないから・・お母さんがいればいいからって。
春日『もういいから・・』
春日『もう話さなくていい・・』
ゆい「ごめんなさい、重いよね」
春日『そうじゃない!聞きたくないんだ、ゆいが辛そうな顔してるから辛いんだ。』
春日『話してくれてありがとな。』
ゆいを抱きしめたら、華奢な肩で
震えて泣いていた。