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跨いでいった男たち

第30章 天使が降りる頃

ゆい「うーん、このあたりだった気がする」

ゆい「あっあった、あれだ!」

春日『じゃあの辺に止めるね。』

ブーン カチッ

バタン

ゆいと春日は何故か小走りで里奈の家へ向かう。
ゆい「ここだぁ」

ピンポーン

……………

ピンポーン

……………

ゆい「里奈ちゃーん」

ゆい「いないのかな?」
春日『いなそうだね。』
ゆい「ちょっとベランダに回ろう」

春日『ゆい、覗きは犯罪だよ?』

ゆい「でもでも、なんか本当に胸騒ぎしかしないの、ちょっとだけ」

ゆい「ゆいだけ覗くから見逃して」

春日『わかったよ。僕もついてく』

ゆいは里奈の部屋をベランダから覗いた。

ゆい「春日さん抱っこして、見えない」

春日『はいはいお姫様。ヨイショ』

ゆい「!!!!!」

ゆい「春日さんなんか部屋が荒らされてる、里奈さんちで間違えない。あのソファーの上なんかおかしい!」

ゆい「里奈ちゃんは見えない、いない?いや違う、なんかあったんだ。」
ゆい「どうしたらいいの?」

春日『ゆい、おろしていい?』

春日『とりあえず、警察はまずいから、事件じゃないかもしれないし』

ゆい「うん。」

春日は携帯を取り出すとアパートの名前を検索した。

ウンウンと頷くとすかさず電話をどこかへ掛けだした。

春日『山本の事務所の春日です。知り合いの女性が鍵をなくして家へ入れなくて、あっはい、』

チラッと部屋のネームを見る。

春日『小林里奈です。』
春日『あっ本当ですか?じゃぁ取りに伺います。今すぐに。』

ピ。

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