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誠の華

第1章 出会い


「まぁた、そんなの見て!つまんない!」


そう言って頬を膨らませるのは親友の美香


ブーブー文句を言う美香に眉を下げながら「もー解った解った!解ったから!」パタンと歴史の本を閉じた



そして、バックに直した所で美香の「何その分厚いの!有り得ない!」と、一言



「美香も読んで見れば解るって!今お勧めなのは新選組!」と、声も高らかに目を輝かせ語ろうとする私



そんな私の声を「ハイハイ、出た出た!優の歴史オタク!」と、遮る美香



小さな声で「聞いてくれる位良いじゃん」と、呟いた私にギンッと鋭い視線を投げつけると「その熱意を少しは恋愛に向けるべきよ!」と、顔を近付けて来た美香



恋愛ね...



興味が無いって言ったら嘘になるけど



今一...好きってモノが解らないんだよね



そんな事を考えてたら「勿体無いっ!!!」と言う美香の大声にビクッと、した



ズズズィと、顔を近付ける美香に頬を引き攣らせる私



「何度告られてもNGって...
全国の女の子を敵に廻すわよ!」と、凄い剣幕の美香



「お、落ち着いて...」と、宥めるも、火がついてるのか、息継ぎなしで話始めた



「本当に勿体無いっ!この前なんか我が学校のイケメンナンバー3にも入る先輩に告白されてたの位知ってんだからね!しかもその前は可愛い系で有名な後輩君まで!その内、勿体無いお化けが出るわよ!何、もしかして他に好きな人でも居るの?ねぇ、ねえ!!!どうなのよぉ!」



こ、怖い...



美香さん...顔が凄い事になってる


ヤンキー顔負けに睨み付けて来る美香に頬を染め



「好きって言うか...タイプの人は居る」と、言うと、惚けた顔をした後、直ぐに元に戻り、キッと、睨み付け



「新選組に居る様な人♡は却下だから!」と、言われてしまった



テーブルをバンバン叩きながら拳を握り締める美香に、「あ、そう言えば、もう、こんな時間!帰らなくちゃ」と、そそくさと立ち上がり、後ろで叫ぶ美香を無視してファミレスを後にした


はぁ〜っ...仕方無いじゃん...


ドキドキしないんだもん


好きって何?

私には解らない...

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