誠の華
第1章 出会い
私の家は少し田舎に有る為、何時もバス通学だ
バス停から家までの時間...約15分
一歩一歩、ゆっくりと歩みを家に向かい進める
春風が肌を撫で、私の髪を攫って行った
その時ふと、チリン....
鈴の音が聞こえた気がした
気のせいかな?と、思った所でまた"チリン"と今度はさっきよりはっきり聞こえた
誰か居るのかな?と、歩きながらも耳を傾ける私の耳に
チリン、チリン、と、響いて来た
そして、石造りの階段の横を通ろうとした瞬間さっきよりも一層大きく鈴が鳴り、その鈴の音に混じり
「おいで」と、聞こえた気がした
その声を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった
そして、フラフラと誘われる様に階段を登って行った私
チリン
チリン
こっち...
おいで、おいで、と、声がする
そして登りきった先に有るのは古びたお堂
フラリ、お堂の前に立った時、ハッと、なった
何で私、此処に来たんだろう?と、考えるも、解らず、目の前のお堂を見つめた
「まぁ、此処まで来たから...お参りして帰ろ...」と、呟くなり、目の前のお堂に手を合わせ、瞼を閉じた
『ん...何をお願いしよう....
はぁーっ、美香も煩いし、
決めた、
恋が出来ます様に!出来れば新選組みたい強くて、志しを持ってる...
『承知した...』
へ?
今、何か声がした?気のせい......だよね...
と、思いながらパチリ、瞳を開き、踵を返した
そしてタンタンタンと、階段を降りた所で呆然とする私
「えっ..」