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愛の嵐

第17章 氷魚の嵐

《松本side》

友達に聞いた旨くて人気のケーキ屋
帽子にサングラス
人の少ない時間を見計らって行く
俺がこんな店来る事ないんだよなぁ
何やってんだろ?

今日は皆バラバラでロケ
俺は夕方までに戻れば大丈夫
皆に秘密にするのは申し訳ないけど
言わなかっただけに今更言えない
相葉くんのあんな顔みたら言える訳ない

松「これと、これと、これ下さい」

チョコレートケーキは三種類
迷うのが面倒で全部買ってしまった
無類のチョコ好きだと思われそうだな

急いで車に乗り病院へ向かう

コンコン

相「はい?どうぞ~」
松「お邪魔します」
相「松潤!来てくれたんだ~♪」
松「自分で言ったくせに」
相「へへ~♪」

可愛く笑うんじゃね~よ
こっちまで釣られるだろうが

松「潤でいいよ」
相「へ?」
松「潤て呼べよ?俺も雅紀って呼ぶから」
相「いいの?やった♪ありがとう、潤!」
松「どういたしまして、雅紀!」

ケーキを開けてどれから食べようか迷ってる

松「ケーキとか食べて大丈夫?」
相「何食べてもいいって言われたよ♪」
松「そうか、ならいいんだ」

使い捨ての皿とフォークを渡す

相「さすが準備がいいね、潤」
松「雅紀と一緒にしちゃ困るな」
相「うわ、酷い言われようだなぁ」
松「いいから選んで!残りは冷蔵庫にいれるから」
相「はぁい!じゃあ、これにしよっと♪」

皿に出して残りをしまう

相「ん~♪美味しい!潤!」
松「ん?何?」
相「あ~ん!」
松「ちょっ、ハズいって」
相「あ~ん!」

俺は周りを見渡し

松「あーん、あっま!」
相「そう?美味しいよ?」

恋人みたいな時間を過ごしてしまった

松「そろそろ時間だから行くよ」
相「そっかぁ、仕方ないね」

淋しそうな顔すんなよ~
ったく、ガキかよ

松「明日も来るからそんな顔すんな」
相「来てくれるの?」
松「あぁ、来るよ」
相「待ってる!仕事頑張ってね♪」
松「はいはい、行ってくるよ」
相「行ってらっしゃ~い」

見送りの言葉を背に病室を後にした

参ったなぁ
仕事張り切ってしまう
最近では無かった温かい気持ち
それをどう思う事はなかった
いや、しなかったのかもしれない

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