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占いの館【YES∞NO】

第8章 辛口チョコレート


『さぁ、水晶の前へすわってください。』


俺は水晶を挟むようにイブと向かい合って座った…



「ん〜…お客さん、凄く甘い香りがする…
はぁ…幸せの香り…」



アダムは俺の後ろを通ると…足を止めた



「あっ…チョコレートの香り…
エプロン着けたままだったから…」



上着から見えるエプロンには、チョコレートが何箇所かに付いていた…



『…エプロンもだけど…貴方自身からも良い香りがしますよ』


クスクスっと笑うイブの笑顔は…女性らしく…ドキンとした…



『さて…お名前…聞いていいですか?』



「…南城 葵(ナンジョウ・アオイ)です。
そこのホテルでパティシエ、ショコラティエをしています…」




「な〜るほど、ど〜りで良い香り」


アダムはニコニコしながらまた、俺の香りをクンクンと嗅いだ…


可愛い仕種に…少し…照れ臭くなった



『じゃぁ…葵さん…
占いましょう……』



イブは水晶に手をかざし…瞳を閉じた



長いまつげが…やけに色っぽく見えた…



中性的な顔立ちの二人だが…


女性だと思えば…つい…唇…胸…等を見てしまう…




「…葵さんのエッチ…イブのどこ見てんだよ〜」



ふざけた感じで、俺の後ろからアダムが声をかけてきた!!!



「あっ…いや…どこも…」


「プププ…焦った顔も、カッコイイね」



アダムの悪戯っ子の様な笑顔…


イブとはまた違って…


俺をドキンとさせる……



不思議な二人……



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