テキストサイズ

占いの館【YES∞NO】

第8章 辛口チョコレート

イライラしながら…アダムから受けとった、ホッとチョコレートを口にする…



「……香りが…いまいち」

「ふふふ解っちゃう?香り…多分…あの…河野って奴の香りが邪魔してるんだよ…」



アダムは…テーブルの上でガタガタもがく河野に近づき…クンクンと匂いを嗅ぐ…




「…ほら…コイツだ…」



一瞬にして…アダムの目が…



冷たく…恐ろしくなった…



河野もその目を見たのか…


大きくビクッ!!!となり…小刻みに震え出した…




「……コイツ…タバコの匂いが体からする…」



「なっ…タバコ…」




そう…この業界の人間は…タバコは吸わない…



本来の味や薫りが…解らなくなるのを懸念して…



服や髪に染みついたタバコの薫りでも…左右される味はあるのだ…



「河野…テメー…チョコレート菓子を馬鹿にしながら、記事書いたな!!!」



河野に近づき…首の辺りをクン…と嗅いだ…



「うっ……そうとう…吸うだろう…
体から…タバコの匂いが…」




「…こんな…味も解らない男の書いた記事に…俺は振り回されていたのかよ…」


あの時見抜けなかった自分に腹が立った!!!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ