占いの館【YES∞NO】
第4章 母性の使い方
テーブルに水晶を挟む様に向かい合って座る…
『…私は…貴女をなんて呼んだらいいのかしら?』
柔らかく、落ち着く声…
『黒澤…千恵子(クロサワ・チエコ)…です。』
「じゃぁ、千恵子さんでいいかな?」
後ろから、アダムが話し掛ける、
二人はホントにそっくりで…体型だけが違う…そんな感じがした
『千恵子さん…は…何を聞きたくてここに来たの?』
名前を呼ばれ、ドキンとしてしまう…
でも、自然と浩二郎に対する疑問が、ポツリ、ポツリ口から出てくる…
お母さんの事、今日のデートのドタキャン…
自分は…愛されてるいるのか…
自分は…彼にとって…必要な女性なのか…
やっぱり…マザコン…なのか?と…
『…マザコン…なんですかね…』
後ろに立つアダムが、甘い香りのお香に火を付ける…
「随分…不安がたまってたじゃないか、千恵子さん!」
『あら…アダム、女性は好きな男性の彼女になろうが、妻になろうが…不安だらけなものよ?ね?千恵子さん』
「ふ〜ん…」
アダムとイブはクスクスっと笑いながら、私を見た