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赤い糸

第5章 幸せ







いつも通り、拓人の部屋に入る。
テーブルの前に向かい合って座る。
「大切な話って何?」
唐突にきかれて、思うように言葉が出てこない。


「…あのさ?
拓人他に…付き合ってる人…いるよね。
ずっと…私…知ってたの…。
でも、言えなかった。
聞くの怖かったの…」
それだけ言うと後の言葉が出てこなくて顔をふせてしまった。
「…んなわけないじゃん。
勘違いでしょ?
浮気できるって思う?
皐月怖くてできないよ。」
拓人は慌てた様子で早口でそう告げた。

まぁ、誤魔化すとは思ってた。
でも私は更に気になっていたことを聞く。
「じゃあ、クリスマスに買ってた指輪なに?
イニシャルまで彫ってたよね?」

「…あぁ。あれ?
あれ妹の…」








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