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狼くんと羊ちゃん~空回り~

第1章 小さな思い

~憲人side~

バンっー

勢いよくドアを
開けると
そこには誰もいなかった。

は?
さっき確かに声聞こえたけどな

「おーい、誰かいる~?」
いつもの演技声で叫ぶ

と、マットの裏から
誰か出てきた。

「けん、と・・・っ、ひっ」

そこから出てきたのは・・・
翔だった。

えっ、はぁ!?はぁ?
んで、泣いてんだ

しかも、服ぼろぼろ

「ねぇ.ちょっと!大丈夫~?」


よかった。
いつもの憲人だ。

安心感からか涙は
とどまるところを知らない。

「ひっ、けんっと、っく、怖かったぁーっ、」

ふいに力が抜け
ドサッと憲人の腕に抱きついてしまう

でも、腕から離れる気には
ならなかった。

そうしていると、憲人が
俺を抱き締めてくれた

「もう大丈夫、大丈夫だから
何があったの・・?何で、そんな泣いてんの?」

何かあったと確信し聞いてみた。

「思い、出しただけ・・・」

か、可愛い・・



えっ?俺、今なに考えてた!?

翔のことを可愛いって?


もう、いいや
きっとこの感情は本物なんだろう。

俺なら、翔泣かせない自信あるし
好き、なのかもな...




翔のこと
好きなのかもな。

この時芽生えたのは
小さな小さな恋の感情

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