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狼くんと羊ちゃん~空回り~

第1章 小さな思い

中2の夏


ーっ、ひっく、んっ ・・・くっ




下校時間が
過ぎた学校は

しーんと静まり返っていた。

俺はいつものように

授業を仮病でサボり
翔が迎えに来てくれるまで
屋上のべんちに横になってうとうとしていた。


んっ、眠い・・・・。





キーンコーン、キーンコーン

あっ!
寝過ごした!!!!

誰か起こしてくれても
いいのに

って、誰も来ないか?

そういえば翔どこだ?

翔!

・・・・



俺は、訳のわからない
衝動にかられて走り出していた。

下校時間が
過ぎていたため

校舎にあまり人影はない。


けど、なぜか翔がいるような
気がしたんだ。


翔は小さい頃から
人とあまりはなさねぇ。

けど、約束は絶対に守る人だ。
何をいっても、ぜってぇに言い返さねー、軽蔑もしねぇ

翔がそんな繊細なやつだったから
まだ、俺、この性格を見せてねぇんだな。多分。


そんなことを
考えながら、俺は校舎を必死に駆けずり回った。


っ、何処にもいねぇ!!!


あとは、「あの場所」だけか・・・・






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