テキストサイズ

運命の誘惑

第10章 曇り空  汐生side

寺島と帰る事になった帰り道。



真っ直ぐ延びる道の先に繋がる空をふと眺める。



そこには曇り空もすっかり消え、淡い水色と白い雲をふんわりと浮かべる空が広がっていた。




「晴れたな」


「え?」



俺は空を見つめたまま寺島に言葉を投げ掛ける。



「晴れて良かったな」



寺島は俺の方を見て怪訝そうな顔して



「そんな晴れて嬉しい?」




だってさ。




嬉しいに決まってんじゃん。


誰かさんの苦渋に満ちた顔、見なくて済むんだから。













ストーリーメニュー

TOPTOPへ