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運命の誘惑

第10章 曇り空  汐生side

「俺んちここだから。」


「あ、そうなんだ?」




寺島と歩く帰り道。

いつもは長く感じる道も今日は体調がすごぶる悪いのに早く感じた。

足取りも普段の健康体の時よりも軽やかだった。




当然。





そんな事すら彼女は気付かないんだろうけど。




‥気付いた所で彼氏の存在で跳ね退けられるんだろうけど。



なんて考えてると





「大丈夫?」



心配そうな顔して俺のおでこにピタッと手を当てる彼女に思わず胸が跳ねる。



「やっぱりまだ熱いねぇ‥‥
顔も赤いし‥‥」



ブツブツ呟きながら胸の前で腕を組んで何やら考え中の彼女。




‥いやいや。


顔が赤いのは恐らくあんたのせいだと思うけどね?

俺は。




「ちょっと待ってて!」




はい‥?














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