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運命の誘惑

第10章 曇り空  汐生side

「ありがとう。マジで嬉しいわ。
元気出た!」



ニカリと笑って寺島にお礼を言うと



「私も。」


「え?」


「岡田のお陰で今日は助かった。
熱なのにごめん。

でも、本当にありがとー」




そう言って寺島は俺に柔らかい笑みを向けた。


まさか彼女から俺が勝手に取った行動でそんな事を言われるなんて思ってもなくて。


その笑顔は彼女の向こうに広がる蒼い空のように眩しくて。




「寺島!」


「‥え?」




完全なる咄嗟的行動。



彼女の両手を握って





「俺、遠慮しねぇから」





戸惑いからか揺れる彼女の綺麗な瞳を真っ直ぐ見つめながら言葉を向けた。









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