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運命の誘惑

第3章 高校3年  春

言葉を遮られた好美はそれ以上何も言葉を向けてくる事もなく




「教室行こっかぁー♪」




ジャレるように私の背後から抱き着いて来て、鼻歌混じりに何の曲か分からない曲を口遊みながら歩く。




好美は、自分の言葉を遮られてもそれを強調させて再度言って来たりしない。


自分の考えを押し付けたり、しつこいくらい話したりもしない。


頃合いを見て、私の事を思いつつ私の顔色でGOかNOか判断してくれる。




だから、好美は一緒に居て疲れない唯一の親友。





「ねぇ、さっきから口遊んでる曲って何?」



気になったから尋ねると、好美は自信満々に応えた。





「校歌に決まってんじゃーん♪」



「‥‥。」





‥・校歌口遊むくらいなら始業式出ろよな‥。










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