テキストサイズ

運命の誘惑

第16章 微動

――――ドクン


心が波打つ。



“ごめん”‥‥・って?



何がごめん‥‥?



岡田の最後の言葉が分からず用紙を持ったまま思わず首を傾げる。


すると、元ちゃんと好美がなかなか帰る準備をしない私に痺れを切らしたのか



「愛結~早くー!!」

「あと2秒で準備しなかったら今日の遊び代、愛結持ちだから」



急かす声が教室の入り口から聞こえて



「ちょっと待って!」


慌てて岡田が取ってくれた授業分の用紙も全て鞄に詰め込んで




「に~ぃ‥・い~ち‥‥・」


「わぁぁ!!待って!!」



元ちゃんの無理難題なカウントに一生懸命間に合わせながら





「ゼロ!!」
「お待たせっっっ!!」





“ゼロ”同時に準備出来て2人の元に行った私は褒められるのかと思いきや



「チッ。奢りじゃなくなったね」

「愛結も大概空気読めねぇよなー」



毒を吐かれた。



‥‥チッ。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ