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運命の誘惑

第17章 微動  *汐生side*

元との電話を切った俺は財布だけ握り締めて部屋を飛び出した。


外はすっかりいつの間にか暗くなっていて外灯の光がポツリポツリと道を照らす。


空は淡い蒼から濃い群青の空が広がっていて小さな星を無数に散りばめ輝かせていた。



俺は全力で走りながらさっきの元の電話を頭の中でリピート。




“愛結が大変なんだ!汐生早く来てくれ!!”


“はっ!?寺島がどうした!?”



“愛結が大変なんだ!!とにかく早く来てくれ!!”



“分かった!!場所は?!”



“場所は――――”





寺島に何があったんだ?!


寺島に何かあったら俺は‥‥っ!!


寺島っ!!!




「くそっ!!」



もっと速く走れ!俺!!




俺はぎゅっと拳に力を入れて力の限り全力で元の指定した場所へととにかく走った。





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