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運命の誘惑

第17章 微動  *汐生side*

空はすっかり群青から漆黒へと変化。


寺島に逢う前の空より深い黒へと変わったせいか
さっきより星の粒も1つ1つ大きく輝いて見える。



背中に寺島の温もりを感じながら星を眺めながら歩く。




「好美ぃ‥‥お酒ぇ…」



‥まだ言ってんのかよ。



だけど、普段見れない寺島が見れて嬉しくて仕方なくて。

可愛く手仕方なくて。


思わずフッと笑みが零れる。





「だからお酒はないし好美は居ないですよー」




クスクス笑いながら寺島の耳元に優しく囁く。



「ん~‥・?好美ぃ?おからの声がする~‥‥」



‥いや。


“おから”って‥。

俺、食いモンなってんじゃん‥。




「寺島?“おから”じゃなくて“岡田”ね?」



「おから~~~‥・・」




ダメだ。こりゃ。





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