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運命の誘惑

第17章 微動  *汐生side*

「はぁい?」



この際。

“おから”でも“岡田”でも何でもいい。

寺島に呼んで貰えるなら、何でもいい。



寺島の呼び掛けに返事をすると



パシッ



「痛っ!!」


「好美はおからじゃないじゃ~ん!!」



頭を叩かれてケタケタと笑われた。




‥‥いや。


どっちかといえばそれが間違いだから。



俺、好美じゃねーから。

“おから”と言ってる岡田だから。



こいつ、酔っぱらうと聴力オカシくなんのか?



「いや、俺好美じゃ‥「おからはあの子が好きなのかなぁ~‥」



寺島は肩に顔を埋めて篭らせた声でボソッと呟く。






――――は‥・?



な、何言ってんの?

何言っちゃってんの?!




思わず歩く足を止めて、ボソボソ呟く寺島の顔を覗き込む。





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