テキストサイズ

運命の誘惑

第17章 微動  *汐生side*

そんな俺の首にしがみつく腕の力を少しだけ強めて。


俺の肩にスリスリと顔を摺り寄せながらしがみついて




「おからのばぁ~か‥‥」




ボソッと呟く。


俺は黙って寺島の顔を見つめる。



寺島はそのまま言葉を続けて




「一緒に居るって言った癖に‥‥。



傍に居るって言った癖に‥・・。



嘘つきおからのばぁか‥‥」





聞こえるか聞こえないかくらいの声でボソボソと呟いて。




「‥・・寺島?」





俺の背中で寝息を立て始めた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ