テキストサイズ

運命の誘惑

第17章 微動  *汐生side*

歩きながら寺島の言葉を思い出す。



“あの女と一緒に居るとモヤモヤして苛々して苦しくなる”




寺島はこの感情はヤキモチじゃないと言った。


だから、どういう意味なのか、どういう心境なのかは俺にも分からないけど‥



けど、少なからず寺島の中で“何か”が動き出してるんじゃないかと思う。



‥自惚れかもしれないけど。



でも、何となくそう思った。



それだけでも俺にとっては大きな進歩だ!

全く動かないと思ってた寺島の心がすこーしでも動いてるのなら俺は満足。




「おから~‥・ばかぁ‥・」



フッ。

寝言でも俺をバカ呼ばわりするとか、どんだけだよ。


ったく。






‥‥・ゆっくりでいい。


ゆっくり、ゆっくり。



ゆっくりと俺に堕ちておいで。



両手いっぱい広げて待ってるから。





俺は肩でスヤスヤ眠る寺島のおでこにそっと軽いキスを落とした。













ストーリーメニュー

TOPTOPへ