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運命の誘惑

第23章 月命日の夜

本当は‥。


月命日は恭のお墓に行ってちゃんと手を合わせるのが本当なんだと思う。

そこに恭は眠ってるわけだし‥。



‥‥だけど。



私は恭が死んで一度も恭のお墓に行った事がない。


葬儀にも出てない私。


だから恭のお墓がどこにあるのか知らなくって。



‥でも。



仮に知っててもあの街へ戻るには色々な事を思い出してしまって‥



中学時代の罵声の嵐だったとき。

殴られ蹴られしたとき。

死のうとしたとき。


それら全てを思い出してしまって足が竦んで吐き気が一気に押し寄せてしまって例え恭のお墓を知ってても戻れてなかったと思う。




だから‥・




その代わりってワケじゃないんだけど。



毎月恭との1番思い出深い場所へ来ては恭との思い出に浸りつつ恭を想う。










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