テキストサイズ

運命の誘惑

第24章 月命日と夜光虫と・・

「お願い‥離し「却下。絶対離してやんない」


「何で俺の事忘れようとすんのか。
理由を言わないと離してやんない」



私の声を遮って岡田は抱き締める腕の力を強める。



「何で俺の気持ち、捨てようとしてんの?教えてよ」



耳元で悲痛な声で岡田に囁かれ、塞き止めてた闇の想いが溢れ出る。



「私には恭が居る!恭だけでいい。
恭以外好きになったらダメなんだよ!」



だって‥‥‥

だって私が‥‥・っ!!



「だって私が恭を殺したんだから!!
私のせいで恭は死‥・「寺島!!!!」‥・ら」



私の言葉を静止させるためなのか‥

怒鳴るように私の名前を呼んで



「寺島のせいで死んだんじゃないだろうが!!
彼氏は事故に巻き込まれた。

寺島のせいじゃない。お前が悪いんじゃない!

悪いのは全部事故した運転手が悪いんだろうが!!」




切なそうな・・苦しそうな声色でギュッと抱き締めながら耳元で強くそう言ってくれた岡田。


その優しさが心に伝って更に大粒の涙が頬を伝う。






‥・でも。






岡田の想いと反して私の溢れる闇言葉は止まらない。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ