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運命の誘惑

第30章 闇×真実=・・   *汐生side*

「ハァ~‥‥‥・」



寺島の家の前で手を伸ばせば玄関ドア横のチャイムに手が届くのになかなか押せず‥


玄関前でひたすら溜息を漏らす。



早く話をしなきゃいけないのに、

早く全てを話して少しでも寺島の混乱を解いてあげたいのに、



‥昨日の寺島の涙が脳裏に浮かんでチャイムに伸ばす手を躊躇させてしまう。


泣かせたくないのに。

寺島が泣かなくていいようにずっと守ってやりたい一心だったのに。



“俺の前だけで泣いて”



俺が結局泣かしてんじゃんってすげー自己嫌悪で昨日は一睡も出来なかった。



‥でも。



寺島の事だから、絶対アイツも寝てないんだろうな‥。



俺は意を決して



♪ピンポーン♪



チャイムを押した。





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