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運命の誘惑

第32章 闇×真実=・・   *汐生side* ③

「汐生に愛結を“あげる”」



そう言ってニコリと笑う恭。



「だから話聞けって!!恭が彼女の気持ちはモノじゃないって言ったんだろうが!なのに“あげる”とか言ってんじゃねーよ!!」



「汐生‥‥愛結を俺の変わりに幸せにしてあげてね‥?」



「ちょ‥、ちょっとマジで待ってよ恭。頼むからそんな事言ってないで自分で幸せにしてやるんだって、お前に渡すかって言ってくれよ。


‥・・っッ、何で泣いてんだよ!!」



顔を歪め涙を溢す恭の顔を見て、今まで堪えてた涙が一気にダムが決壊したかの如く溢れ出す。




「何泣いてんだよ!恭!!お前早くこっから家に帰ろうぜ!?弱気になってんじゃねーぞ!!」




「汐生?俺‥愛結の走ってる姿が1番好きだったんだぁ‥‥」




「うん。それをちゃんと彼女に伝えてやればいいじゃん!好きな姿退院してまた好きなだけ見ればいいじゃん!」




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