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運命の誘惑

第6章 突然のカミングアウト

そして。

そのまま岡田は大きくて冷たい手を私の右頬に充てる。

私はそんな岡田の行動にビックリしてビクッと身体が跳ねる。



‥・・な、何!?




「ごめん‥泣かすつもりはなかった」



「は?!泣いてなんか‥・っ!!」




岡田の言葉でふと気が付いた。

私の頬に伝う冷たいモノ。




私…泣いてたんだ‥‥。




岡田はその伝う涙を親指でグイッと拭って




「本当に泣かすつもりじゃなかったんだ。マジでごめん」





眉を下げて申し訳無さそうに再度、謝った。



そして





「俺も、寺島と一緒だから。

俺も大事な人を亡くしてるから。

だから気持ちが分かる」





思いもしなかった言葉を発した。









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