ぎゅっと強く抱き締めて
第2章 文化祭
放課後─。
私は演劇の役の相談があるからと言っていつもは四人で帰るが今日は姫桜と二人で帰ることにした。
「姫桜は主役は誰がいいと思う?」
「んーそうだなぁ。平賀くんとかは?
きっといい演技してくれるよ」
笑いながら私に言う。
そうか。姫桜は平賀くんがいいのか。
「それじゃあー主役は平賀くんでヒロイン役は姫桜に決まりだね」
「え? 私は無理だよ! 男性恐怖症だし」
首を思いっきり横に振る姫桜。
「だからでしょ? せっかくの文化祭なんだし、男性恐怖症だとしても平賀くんなら大丈夫。現に抱きついたこともあるんだし」
「でもぉー」
私は姫桜に大丈夫大丈夫!
と言った。
よし。
これで後は作品決めーと。