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従わない奴隷

第11章 俺とバイトとユウリ

もう一度

深呼吸をして

ユウリの部屋に

目をやると




電話をかけてもいないのに


ユウリが

玄関から出てきて

鍵を閉めていた





ユウリ・・・



俺の心臓が

また走り出した




久しぶりに見るユウリ




ユウリは
少し・・・・


うつむいたまま


こっちに向かって
ゆっくりと歩いてきた




俺は
急いでサングラスをかけて


何かを
ごまかした




ユウリが近づいてきて
ちらっと
俺を見た


と、同時に


俺は軽く手をあげた




ほんの少し
ユウリが笑って



俺は

泣きそうなくらい




ほっとした






それから
ユウリは
助手席のドアを開けて


中を覗きこみ


「乗っても・・いいですか?」


と、俺にたずねた




「あぁ」



何でそんなこと
聞くんだよ、ユウリ






「久しぶりだなぁ」






「はい」




それから

2人は

なんだか無口で





俺は

サングラスを

かけたままで





ユウリは

手を

ぎゅっと

握ったままで




姉貴の店へと




車を走らせた







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